【とっても丁寧に理解していく】住民税について

雑学

担当夫
★2020年8月時点での説明です。

所得税に続いて、住民税もやさしく説明していこうと思います。
住民税の考え方はおおよそ所得税+少しややこしい部分があります。
先に所得税の理解を深めておいたほうがわかりやすいので、まずはこちらのページを見てもらえたらと思います。

住民税は地方税

住民税は地方税となります。地域によって計算が異なる場合があります。
詳しい事は各役所の住民税のページを見ると分かります。
数百円から多いところでも千円,二千円上乗せしているのがほとんどだと思います。

住民税の内訳

住民税の内訳として2種類に分かれます。
・均等割(固定)
・所得割(所得税と同じ流れの計算)

均等割

一律5000円掛かります。地方によって若干異なる場合があります。
所得が低いと免除されますが、詳しい話は割愛します。

所得割

所得割を求める基本的な流れは所得税のときと同じです。
1. 収入から課税対象額を減らす(給与所得控除、所得控除)
2. 課税対象額に係数を掛けて、税額を割り出す。
3. 税額を減らす(税額控除)

今回も年収500万円、独身サラリーマンを例に説明します。

1. 課税対象額を減らす

まずは給与所得控除の計算からになりますが、所得税と全く同じです。
給与所得控除は「サラリーマンの経費」扱いなので、所得税であろうが、住民税であろうが、経費が変わることはないと理解しておくと良いでしょう。

収入 給与所得控除額
180万円以下 収入×40% – 10万円
55万円以下は55万円
180万円超 360万以下 収入×30% + 8万円
360万円超 660万以下 収入×20% + 44万円
660万円超 850万以下 収入×10% + 110万円
850万円超 195万円

360万〜660万の年収20%+44万=144万が給与所得控除です。

年収から引いてみます。
500万円 – 144万円 = 356万円
課税対象額は356万円になりました。

次に基礎控除も同様に引いていきます。

個人の合計所得金額 控除額
2400万円以下 43万円
2400万円超 2450万以下 29万円
2450万円超 2500万以下 15万円
2500万円超 0円

所得税と控除額が異なるのでご注意下さい。
こちらも表に従い、43万円を課税対象額から引きます。
356万円−43万円=303万円

社会保険料控除も同様です。
仮に社会保険料が50万円だったとすると、同額の50万円を課税対象額から引きます。
303万円−50万円=253万円

今回の例では適用出来る課税控除は以上となり、課税対象額(=課税所得)は253万円です。

2. 課税対象額に係数を掛けて、税額を割り出す。

住民税は一律10%になります。
253万円×10/100=253000円

3. 税額を減らす(税額控除)

所得税と同様な税額控除が存在しますが、本例は所得税と同じく税額を減らす要素がありません。但し、住民税の税額控除には調整控除というものが存在します。

調整控除

ここが一番ややこしいのですが住民税の変動が必ず発生するところなので、割愛せず丁寧に説明します。

まず、必要な情報を計算しておきます。
1. 課税所得:253万円
→ 先ほど計算した253万円が該当します。
2. 所得税の人的控除額:48万円
→ 基礎控除の48万円が該当します。
3. 住民税の人的控除額:43万円
→ 基礎控除額43万円が該当します。

補足:
人的控除とは課税控除の中で人に係る控除を指しています。基礎控除、配偶者控除、扶養控除などです。今回のケースでは基礎控除が対象になります。

4. 所得税と住民税の人的控除の差額:5万円
→ 2と3の結果より48万円-43万円=5万円が該当します。

では調整控除額を求めます。

<課税所得が200万円以下の場合>
課税所得と人的控除額の差を比較し、少ない額の5%
<課税所得が200万円を超える場合>
人的控除額の差 – (課税所得-200万円) の5%
※2500円未満なら2500円

今回は課税所得が200万を超える場合の計算を行います。
{5万円-(253万円-200万円)}×5/100 = -24000円
→ 2500円未満なので調整控除額は2500円となります。
税額控除は今回これだけ(2500円)ですね。

税額から調整控除額を引く

最終的な住民税を割り出しましょう。
253000円-2500円=250500円

やっと住民税250500円が求まりました。

まとめ

住民税を求める流れを纏めます。
1. 均等割を求める(5000円)
2. 収入から給与所得控除を引いて、給与所得を求める。
3. 給与所得から課税所得控除を引いて、課税所得を求める。
4. 調整控除を始めとした税額控除を求める。
5. 課税所得から税額控除を引いて、住民税を求める。

おつかれさまでした。

関連リンク

【まとめ】社会保障・税控除